実務上の留意点 ●正社員の待遇引き下げ パート有期法の趣旨は短時間・有期雇用労働者 の待遇改善であるから、不合理な待遇差を解消す るために正社員の待遇を引き下げることは本末転 倒である。 しかしながら、やむを得ず就業規則を改正し正 社員の待遇を不利益に変更することにより不合理 な待遇差を解消する場合がありうる。この場合、 労働契約法第9条により正社員の同意を得るか、 同法第10条により当該変更が合理的なものである ことを要する。 ●定年後再雇用者 定年後再雇用者であることは、そのこと自体が 「その他の事情」として考慮される。もっとも、そ れぞれの待遇の性質・目的に照らして判断される ため、定年後継続雇用の有期雇用労働者であると いうことだけで、直ちに正社員との待遇差が不合 理でないと認められるものではない。 ●正社員人材確保論 正社員と短時間・有期雇用労働者との間の待遇 の違いの要因として「正社員人材の確保や定着を 図る」等の目的が挙げられることがある。待遇差 が不合理と認められるか否かは、それぞれの待遇 の他の性質・目的にも照らして判断されるため、 単に正社員の確保のためという目的があることの みで不合理ではないと認められるものではない。 ●無期雇用フルタイム労働者 パート有期法の対象は短時間労働者もしくは有 期雇用労働者であるから、無期雇用フルタイム労 働者は対象外である。もっとも、労働契約法第3条 2項は就業の実態に応じた均衡考慮を求めている。 この均衡に当たっては、ガイドラインの趣旨を考 慮すべきこととされている。 特に、労働契約法第18条により有期雇用から無 期雇用に転換した場合には、転換前にはパート有 期法の対象者であるから、不合理な待遇差があっ てはならず、転換前に解消することが求められる。 本年10月より義務化されますカスタマーハラスメント対策について、法令の枠組み、企業での取組事例 などをご紹介します。 合わせて、本年10月に改正されます同一労働同一賃金ガイドラインにつきましても、宮内社会保険労務士 に解説いただきます。兵庫県下の5会場で開催予定です。無料ですので、ぜひ受講ください。詳細および お申込は、当協会のホームページを参照ください。 豊岡会場 [日時]2026年8月5日(水) 14:00~16:00 [会場]兵庫県豊岡総合庁舎 301会議室 柏原会場 [日時]2026年8月7日(金) 14:00~16:00 [会場]丹波の森公苑 セミナー室 姫路会場 [日時]2026年8月31日(月) 14:00~16:00 [会場]兵庫県姫路総合庁舎 職員福利センター3F 加古川会場 [日時]2026年9月8日(火) 14:00~16:00 [会場]兵庫県加古川総合庁舎2F 会議室 神戸会場 [日時]2026年9月16日(水) 14:00~16:00 [会場]新長田合同庁舎7F D会議室 https://www.hyogokeikyo.com/ 雇入れ時の労働条件明示事項の追加 パート有期法第14条2項(※)には、短時間・有期雇用 労働者が正社員との待遇の相違の内容や理由に関する 説明を事業主に求めることができる旨の規定がある。 しかしながら、その存在はあまり知られておらず、活用 されていないことから、今回のパート有期法施行規則 の改正により、短時間・有期雇用労働者を雇い入れた 際の労働条件明示事項に、同項の規程による説明を求 めることができる旨の明示が義務付けられた。 (※)事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めが あったときは、当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との 間の待遇の相違の内容及び理由並びに第六条から前条までの 規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定 をするに当たって考慮した事項について、当該短時間・有期雇用 労働者に説明しなければならない。 「ハラスメント等労務環境改善セミナー」を開催します! 告知 兵庫県経営者協会 検 索 4 兵庫経協 2026年夏号
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